自然の似姿は何か/ある住宅の見学会にて [見聞記いろいろ]
先週末、近所で開催されていた住宅の見学会へ。
設計監理はアトリエハコさん。
http://www.hako-arch.com/index.html下の写真は以前お伺いした世田谷区駒沢で設計された住宅の見学会にて。
近所の風景が360°見渡せるかのような水平に連続して行く窓と、
住宅の内部を一体的に感じさせる白い階段室が印象的だった。
今回見学した住宅、
世田谷区が昭和59年に区民から投票により選定した
「せたがや百景」に選ばれたイチョウ並木の露地に面しています。
昔、このあたり一体がすっぽり入る位の大きな屋敷があって、
このイチョウ並木はその時の名残だというお話し。
何でもお屋敷の中に建つ母屋から、
離れに行くための道だったと聞いたことがある。どんだけ広いんだ!
建物は、並木道の入り口に聳える3本のイチョウに、貼り付く様に建つ。
ついでに交差点の鏡や街灯も貼り付く様に建つ。
イチョウと、標識一杯の交差点にどう向き合うか。
オブジェのような白い鉄骨の階段が、
スキップフロアの建物内部を動線的にも視覚的にも繋ぐ。
ソトのイチョウ達の持つスケール感、木の質感、生き物感と、
ナカの鉄骨階段の人工物感がうまく合わさって、
ソトがナカに引き込まれた空間になっている。
2階にあるリビングの大きな開口部からは、
交差点の派手な舗装も、鏡も街灯も、電線さえも
イチョウと等しく視界に入ってくる。
でも何だろう、イヤじゃない。むしろ気持ちよい。
都会の住宅街という「自然」のまっただ中にいる感じ。
この気持ちよさを生み出すために、
設計者が環境を測量する、観察し分析すること。
開口部の位置や大きさ、階段のディテール、スケール感、
安心な設備…等々への気遣いの大事さをあらためて感じた次第でした。
アトリエハコさん、お邪魔しました。
ありがとうございます。
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