きたないがきれいにかわるとき/群馬県立近代美術館見学記 [見聞記いろいろ]

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空を見上げればとてもキレイなうろこ雲がみえた10月16日は土曜日。
高崎は群馬県立近代美術館で開かれている建築家の白井晟一展、
軽井沢で年に何回か公開されている軽井沢の山荘B(脇田邸)を巡るツアーに行きました。


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信州方面にバイクで行けるシーズンもこれで最後かなぁと、
バンディットで出発。このあいだまで暑い日が続いていたのに、風が冷たい。

東京から2時間ほど高崎に到着。
群馬県立近代美術館は、日本を代表する建築家、磯崎新氏の設計です。

http://www.mmag.gsn.ed.jp/outline/about.htm
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公園の駐車場にバイクを停め、気持ちのよい木立の中を抜けると、
四つん這いの動物みたいに池へ突き出した美術館が、出迎えてくれます。

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美術館の中に入ると、巨大なホールが広がります。
ホールを支える柱や壁のほとんどはベニヤの跡も荒々しいコンクリート打ち放しで仕上げてあります。安藤忠雄氏の打ち放しに代表されるようなツルツルの打ち放しではありません。それが圧倒的にデカイ空間で迫ってきます。

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ホールの一番奥まったところに、このデカイ空間に負けないように上層へ伸びる
大理石が貼られた崖のような壁があります。
大理石は2階の展示室へつながる階段の床や壁にも使われています。

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コンクリートは近代建築を作り上げてきた代表的な素材。もちろん現代建築も。
大理石はパルテノンに代表される古代ギリシアの古典建築につながる素材。
それがガチンコでぶつかり合っています。

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規則的な、人工的な金属パネルのグリッドによる外観を考えてみると、自然の緑や足元の池のゆらぎと対比されています。

木立の中で感じる光と金属パネルの光、
金属パネルの固さと足元の水面の柔らかさ、
外観の金属パネルのピカピカ感と、内部のコンクリートのザラザラ感
コンクリートのザラザラ感と大理石のツルツル感
自然と人工
現代と古代……

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この建物にはいろんな「対」があり、そのことに考えが及んだとき、建築の奥深さを感じる仕掛けが随所に盛り込まれています。

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大きなガラス面から差し込む光、
高い吹抜のハイサイドライトから降り注ぐ光、
大理石に映り込む屋外の自然の表情が、
荒々しく巨大であるはずのコンクリートの空間を
ゆったりした時間の流れを感じる気持ちのよい空間にしています。

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建築はひかりなんだと、あらためて知らされた想いです。

…と、白井 晟一展をみる前から、既におなかいっぱいの日曜日。

次回のブログに続きます。












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コメント 1

kit-a-no

「・・・私たちがニュー・ブルータリズムと名づけたものは、物事を見つめ考える際に根底となる、このような材料に対する崇敬の念である。つまり建築と人間とのあいだに確立しうる「親和力」を現実化することである。・・・・」スミッソンの建築論(ALISON&PETER SMITHSON著)より
by kit-a-no (2010-10-19 20:30) 

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